確か韮山に世界遺産の反射炉があるはずだ、ということで車で30分足らず行ってみました。ところで、サッカーで有名なのは山梨の韮崎で、反射炉は伊豆の国市の韮山です。くれぐれもお間違えのないように。
1857年(安政4年)完成。実際に稼働した反射炉としては、日本で唯一現存する貴重な近代化産業遺産、2015年7月世界文化遺産に登録されました。
以前は反射炉って太陽光を鏡とか、レンズを利用して稼働するもの、とぼんやりと勝手に思っていましたが、全く違う、
炉内部で石炭などを燃やしてその熱、炎を炉内の天井で反射し、1点に集中し高温を発生させて銑鉄を溶かす、というものです。
煙突部の高さは15.7mあります。耐震補強(1957年)のため創建当時はなかった鉄製の梁が、いい感じです。
小さな池に紅葉と反射炉が映り込んでいます。
見事な紅葉です。
敷地内にあるガイダンスセンターや、ガイド(無料)さんの説明もあり、詳しく反射炉について学べます。
土産物屋さんに付属したレストランのランチのカレー、とても美味しいですよ。
近くの展望台からは、反射炉と富士山、二つの世界文化遺産を望むことができます。
10年ほどでその役目を終えたそうですが、建設に関連した知識、技術が日本の近代化に与えた影響は多大なものがあります。
ここまで来たら、反射炉生みの親、江川英龍の私邸も見学しよう。反射炉との共通入場券は300割引きです。
正式には、江川家住宅 史跡韮山役所跡(重要文化財)。
大屋根は今は銅板葺きですが、1958年の修復前は茅葺きだったそうです。見たかったなあ。
高さ12mの大屋根を支える豪壮な架構。700年以上前の建築部分もあるとのことです。代々江川家は幕府直轄地の代官として
この地を統治していました。
土間(162㎡)には埃が立たないように塩を混ぜ、湿らせています。何と英龍は日本で初めてパンを製造しました。
窯が土間の一角に置かれています。梁からは、いまだに数か所松脂が出ています。
中庭より茅葺きの書院を見る。
江川家36代当主英龍(1801年~1855年)は反射炉の完成を見ずして亡くなりましたが、彼の業績を知れば知るほど驚かされます。
書画、詩作、工芸に優れ、蘭学に通じ、治世も抜群、江戸のお台場を作り、種痘を広め、江川塾では佐久間象山を始め多く入門者が集い、まさしく江戸末期の巨人です。
中庭で偶然出会った伊豆の国市役所の方、写真を撮っている僕を見て、「この近くの本立寺のイチョウがきれいですよ。」
行ってみました。この山の麓にありました。
江川家の菩提寺、本立寺(日蓮宗)、全く観光客もいなくて最高です。
イチョウ、いい色合いですね。
紅葉とイチョウ。
イチョウの葉の絨毯です。
境内
逆光のモミジ。